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ゲンチョウ2

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暑い日が続きます。

福島で気になる物件の周りを

サンダルでうろうろしていたところ、

タイミング良くおじさんが家から出てきました。

 

「あの~恐れ入りますが、裏のお家の事でおたずねしたい事があるんですけど・・」

 

「あんた何屋さん」

 

「私は白石で不動産をやっている者なのですが、裏のお家をっ」

 

「売りに出してるって事かい?」

 

「ハイ」

 

「昨日も聞きに来たよ、結構みんなこの辺で聞いてるようだね。

上司とかに聞いて来いって言われたんだろ、大変だね~

昨日も聞かれたけど事件や自殺はないよ・・

あんたの会社で買ってどうするの?

裏の家がビルとかマンションになったら

うちの日当たりが悪くなるから凄く困るんだけどね!」

 

「うちの会社は住宅を奇麗にリフォームして販売する会社なので、

 その心配はありません。直せばとてもいい住宅になると思いますし」

 

私は、続く旦那さんの裏の家の人の話に素早く大きな合づちを何回も打ち、

助かりましたと、お礼を言ってその場を後にしました。

 

私はこのような仕事を7年もやっているのですが、

未だによく、不動産屋ピカピカの1年生に勘違いされます。

 

この仕事を始めて間もない頃、

ある石巻方面の建築屋さんの住宅の事で、

向かいのお家に聞き込みに行った時、

紫色の髪のおばさんが囲炉裏のある居間に通してくれて、

親切にお茶やお菓子でおもてなししてくれました。

 

生まれはどこかと質問され、仕事の事で励まされ、

かれこれ2時間近く話をして

「いい男になってまた、来るんだよ!!」と送り出してくれたのですが・・

 

おばさんすみません!!

あの頃思い描いていた成長した自分はもっと

堂々としていたワケで・・

まだまだ小童なワケで・・

でも、成長している手ごたえは自分なりにあるワケで・・