
中古住宅の仕入れで、物件の向いの酒屋さんに聞き込みに行ったところ、
お店に行ってただ聞き込みをするのは申し訳ないような気がして、
手頃な価格の焼酎をカウンターに持って行き、聞き込みを始めました。
酒屋の店員さんと和やかにお話させていただいて、
お会計の時、後ろに並んでいるウイスキーのセンスの良さに目を留め、
つい、
「ポールジロー(無着色無香料のブランデー)
おいしいですよね!」
とポロッとこぼしてしまいました。
店「これは、うちも含めて福島では2件しか取り扱っていないんですよ。」
大「へ~酒屋さんに置いてあるのは初めて見ました。」
店「ほかにもこんなのがあります。」
とシェリー樽仕上げのハイランドパーク19年をカウンターに置いてくれました。
ハイランドパークは一番出回っている12年物でも
4500円以上はするスコッチウイスキーです。
そして、これの値段は9000円
言うまでもなく、この辺の価格帯のお酒は
私にとっては高値の花、圏外です。(‐ω‐)
大「12年のは飲んだ事ありますが・・」
店「このシェリー樽のはね、甘いんですよ」
大「甘いですか・・」
店「甘いです。」
大「は~旨そうですね」
更に店員さんは1:9の割合で有名なスコッチが
絶妙にブレンドされているというウイスキーと、
色の奇麗な濾過されていないウイスキーを並べました。
店員さんは濾過されていない方のボトルを90度位に傾け、
酒瓶の底を覗きこみます。
店「これは濾過してないので60度あるけど、まろやかで
ストレートとチェイサ―(氷水)で飲むのが最高なんです!!」
店「見えますか?」
大「はい、見えます。」
店「澱ですよ・・」
大「澱ですね・・」
店員さんと私は、この世界の大事な部分の秘密を共有している
博士とその助手のような雰囲気になっている。
私は博士の楽しげな解説と優しい眼差しに見守られながら
これらの酒瓶をじっくりと眺め、
華やかな香りが優しい香りに変化し
暖かい液体が、喉に滑り落ちる感覚を想像しました。
博「この辺りの酒を飲むには清水の舞台から飛び下りるような覚悟が必要ですよね。」
助「そうでしょうね・・」
博「こんなのもありますよ」
と博士が嬉しそうにカウンターに次々とウイスキーを並べ始めます。
すでに助手は財布の紐をガードする理性と
好奇心混じりの欲望が頭の中で「オーエス!オーエス!!」
と綱引きをしているような気分になっている。
助「シェリー樽のハイランドパーク19年ですか・・」
博「スコットランドでは、
昔ウイスキーをシェリー樽に入れて密輸していたんです。
ハイランドパークのシェリーカスクは今はとても珍しいんです。」
シェリー樽とウイスキーの歴史的な出会い・・「オーエス!」
この酒を持って行きたい・・「オーエス!」(゚Д゚≡゚Д゚)
まるでシェリーが語りかけているようだ・・「オーエス!オーエス!!」
助「甘いですか?」
博「甘いです。」
助「ください。」(<●>_<●>)